甲斐家
景観再生
保全改修事業

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甲斐家ファサード景観再生及び活用・保全改修工事

甲斐家の蔵は、「蔵」を地域景観の顔とする喜多方市及び会津北部を代表する蔵であり、蔵のまち喜多方を看板とする喜多方市の文化観光戦略の牽引役を果たしてきました。 烏城(うじょう)とよばれた総黒漆喰塗り、土蔵建築と木工技術の粋を尽くした内外の造りと外観は、会津地方でも稀有の威容を誇ります。大正期築造の会津地方の蔵では至高の建造物であり、喜多方市の登録有形文化財第一号として、平成13年に登録されています。また、甲斐家では、自家所蔵の資料を公開する資料公開蔵を併設し、 公開をしていた座敷蔵、店舗蔵とともに地域文化に果たして来た役割は大きく喜多方市の蔵文化周知の役割を果たしてきました。甲斐家の蔵公開のスタイルをモデルとして、その後、市内では、自家所有の蔵を活用する例も多く生まれてきました。このように市民による自発的な諸活動もあり、喜多方市の蔵は、平成18年の日本経済新聞「散策したい蔵の街並みランキング」で、東日本第1位の栄誉を勝ち取っています。

しかし、平成23年3月11日に起こった東日本大震災と、その後に勃発した東京電力福島第一原発の放射能漏出事故は、そのような状況を一挙に圧し潰しました。 来訪客は、大震災の発生以降、大きく落ち込み、資料館の経営、建物の維持困難、経営廃業の已むなきに追い込まれました。この廃業によるダメージは大きく、 甲斐家の蔵を蔵巡りのハブとして喜多方市内に芽生えた、市内の蔵とその景観を活用する地域づくり活動の頓挫が懸念されたのです。

この状況の払拭を図るため、 蔵の会では、 有識者及び市民による甲斐家保存再生協議会を立ち上げ、今後の保存再生の方法を検討して提案書としてまとめ上げ、その実現を関係機関に働きかけを行いました。同時に、平成24年度福島県文化振興基金助成事業を活用し、蔵のまち喜多方を代表する「甲斐家建築物群」の歴史的、 文化的価値の極めて高い建築遺産を「未来へ繋ぐ」べく、 景観再生及び活用・保全に資するため、既存店蔵ファサードの景観再生及び活用利便性向上等の改修工事を実施しました。

期間

平成24年8月〜平成25年3月

内容

  • 屋根瓦修理・点検保全
  • 店蔵及び車庫ファサードの景観再生
  • 利活用に伴う住宅部分のプライベート確保
  • 利活用時の利便性向上及び建築物の価値保全向上

その他

平成24年度福島県文化振興基金助成金事業
蔵のまち喜多方観光拠点復興まちづくり事業

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